研究課題/領域番号 |
09554031
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中村 貴義 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (60270790)
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研究分担者 |
木口 雅史 日立製作所, 基礎研究所, 主任研究員
芥川 智行 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (60271631)
長谷川 達生 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (00242016)
川俣 純 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (40214689)
井上 久遠 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (30021934)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | 三次非線形光学効果 / 四光波混合 / エバネッセント波 / 電荷移動錯体 |
研究概要 |
本研究では、可視光領域に広い吸収帯をもつ粉末試料の三次の非線形光学定数測定を正確に評価できる手法、すなわちTHEW法とFWMEW法を開発し、測定のための装置を試作した。この装置を用い、薄膜試料や粉末試料のX^<(3)>を実際に測定し、有効性を確認した。 FWMEW法測定においては、プリズム表面の反射や、プリズムと試料との界面における散乱などに起因するバックグラウンドの強度が現状では大きいため、VO-PcやPt-ジメチルグリオキシム錯体よりもX^<(3)>が大きい材料にしかFWMEW法を用いる事が出来ず、感度の点で勝るTHEW法の方がより多様な材料に適用可能である。しかし、FWMEW法には、非共鳴条件下でのX^<(3)>測定が容易であるというTHEW法では達成しにくいメリットもある。従って、FWMEW測定のS/N向上は今後の重要な課題になる。この問題については、プリズムに反射防止膜をコートすること、空間フィルターの使用、モードロックレーザーの利用など、光学系を最適化することで解決できると考え、現在も継続してこれらの改善を施した実験を進めているところである。 さらに、キンヒドロンなどの電荷移動錯体のLB膜について、2次の非線形光学特性の簡便な評価法である電場変調スペクトル測定を行い、物質開発の面においても、概ね計画通りの成果をあげた。また、上記開拓に関連して、(テトラ-n-ブチルアンモニウム; TBA)(EtO-C[C(CN)_2]_2; EtO-TCA)などの電荷移動錯体粉末結晶の非線形光学定数評価に着手できた。
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