研究課題
基盤研究(B)
14族元素を含む光応答性機能物質および光応答性機能高分子化合物の開発を目的として、Me_3Si基を置換基としてもつ芳香族炭化水素、14族元素をスピロ原子とするスピロ型化合物ならびに14族元素を側鎖にもつポリスチレン誘導体を合成し、その光物理的および光化学的特性について検討し、以下の知見を得た。1.芳香環にMe_3Si基が置換したピレン、アントラセン、フェナントレンなどの芳香族炭化水素の蛍光に量子収量が母核の芳香族炭化水素の蛍光の量子収量よりもはるかに大きいことを明らかにした。2.スピロ型に固定した2つの芳香環の軌道相互作用におけるスピロ原子の役割りを明らかにするため、ケイ素、ゲルマニウムをスピロ原子とする芳香族化合物ならびにその関連化合物を合成し、それらの物理的および化学的特性について比較検討した。その結果、UVスペクトル、蛍光スペクトル、X線構造解析の結果から2つの芳香環は完全に直交しており、お互いに相互作用していないことを明らかにした。3.p-位トリメチルシリルメチル基をもつポリスチレンのフィルムにフォトマスクを通してレーザー光を照射し、数マイクロメートルの空間分解能でフィルム表面にパターンを形成することに成功した。また、照射後のフィルムをキシレンにより現象するとポリマーの不溶化によりネガ型パターンを形成することが可能になった。4.ケイ素の代わりにスズで置換されたポリマーを用いて同様にレーザー光照射で慣れるネガ型パターンを空気中、500℃で加熱処理すると、SnO_2薄膜のパターンが得られることを明らかにした。
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