研究課題/領域番号 |
09554050
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
田中 信男 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (60127165)
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研究分担者 |
水口 博義 エルアールシー, 研究部, リーダー(研究職)
中西 和樹 京都大学大学院, 工学研究科, 助教授 (00188989)
細矢 憲 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (00209248)
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キーワード | 液体クロマトグラフィー / 電気クロマトグラフィー / 多孔性シリカ連続体 / HPLC充填剤 / カラム圧力 / 分離インピーダンス / ポリペプチド / 理論段数 |
研究概要 |
液体クロマトグラフィーにおいて現在より1桁高い理論段数の発生と、それを利用するクロマトグラフィー分離の高性能化を目的とする本研究の始めに、分離媒体となるシリカ連続体の調製と、シリカ骨格サイズならびに骨格間隙の流路のサイズの効果を検討した。骨格サイズの小さなシリカ連続体はより高い理論段数を与え、また大きな流路は、低いカラム圧力を与えた。ここで合成したシリカ連続体は、従来の10分の1程度のカラム圧力で、従来型のカラムと同等の理論段数を発生した。したがって理論的に10倍速い分離が可能となる。実際ポリペプチドについて、グラジエント溶出を用いて非常に速い高性能分離が可能となった。このカラムは従来2μm程度の微粒子充填剤を充填した短いカラムを用いて行われてきた分離を、さらに高性能のカラムを用いて、より速く実行することを可能とする。現在の課題は、骨格サイズを最小限として、流路サイズを最大限として、圧力あたり、時間あたりの理論段数を最大限とする努力の限界を見極めることである。骨格サイズの減少と流路サイズの拡大の極限はオープンチューブであるが、機械的強度を保ちながら限界まで空隙率を高めることを試みている。また、多孔性シリカ連続体を電気クロマトグラフィーのためのカラムとして用いたとき、圧力送液によって得られる理論段数の数倍の理論段数が得られた。電気クロマトグラフィーにおける電場による高速送液によれば従来より1桁高い理論段数の発生は容易であり、電気クロマトグラフィー用カラムとして最適の特徴を備えているシリカ連続体の開発は、圧力送液によるクロマトグラフィーの高性能化だけでなく、クロマトグラフィー全般の分離能力の向上に大きな要素となるものと考えられる。
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