研究課題/領域番号 |
09554051
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
升島 努 広島大学, 医学部, 教授 (10136054)
|
研究分担者 |
池田 照樹 日本分光, 第1技術部, 研究室次長(研究職)
内藤 正幸 オリンパス光学, 第2開発部, 研究室長(研究職)
田村 敦史 広島大学, 医学部, 助手 (30261225)
小澤 孝一郎 広島大学, 医学部, 講師 (10211822)
|
キーワード | ミクロ分離場 / レーザーイオン化 / MALDI-TOF質量分析法 / ビデオ分離スコープ / グル電気泳動 / チップ化分離場 |
研究概要 |
1. レーザーイオン化・分離装置開発の実用試験として、市販のMALDI-TOF質量分析装置とミクロボア-ゲルろ過液体クロマトグラフィーを結台したオフライン微小LC/MSを、細胞構成分子、血液微量成分の検出に適用した。その結果、amolレベルでの細胞内インスリン、血液内蛋白成分の検出に成功した。ここで、レーザーイオン化の際、分子によりイオン化の易しさに差があり、クロマトグラフィーを前段に用いる事で、周囲の易イオン化分子により検出されなかった分子がそれらと分離されることで、検出されるようになる事が分かった。 2. レーザー・イオン化分離装置は、平成11年1月にようやくプロトタイプとして完成し、現在基本性能を確認できたところで、ブラジキニン10amolの検出感度を達成した。このレーザー照射を、顕微集光することで、ゼプトモルレベルの分離検出が可能である見通しが立った。 3. ゲルでの超ミクロ分離場の検討は、ビデオ分離スコープで行ったが、その結果サンプルの自己拡散が早いため、現在多くの研究者が検討している集積化極微小分離チップにおいても、サンプルを非常に狭いバンドとして分離開始点にレイヤリングしなくてはいけないがすぐに広がり、問題が多い事が分かった。つまり、ゲル分離場を幾ら微小にしても、極微小域にサンプルロードすることが出来ないので、結果としての分離は、微小化のデメリットとしてしか反映されないという事が分かった。これは、現在のチップ化分析技術を進める上で克服すべき重要な知見となるであろう。
|