研究概要 |
今日の生物学でモデル生物として成巧をおさめているものの多くはトランスポゾンとよばれる転移因子を利用した遺伝子改変系をもつものが多い.ショウジョウバエのP因子,線虫のTc因子,シロイヌナズナのAc/Ps系などである。これまで脊椎動物では有効な転移因子が発見されていなかったが,我々はメダカにこのAc/Ds系が存在することをはじめて明らかにした。シロイヌナズナにおいてはこのAc/Ds系を利用して花や根,葉の発生変異を生み出し,遺伝子改変により原因遺伝子をAc/Ds系でタギングすることが可能になっている。これと同様にメダカのAc/Ds系(Tol-2と命名)を利用すれば脊椎動物で初めてのトランスポゾンによる遺伝子改変系が期待できる。この間.メダカTol2のメダカ内挿入変異の詳細を明らかにし.そのコピー数を決定し報告した。今後はTol2内のトランスポゼ-ス遺伝子の転写産物を明らかにしこの強制発現や.MRNA注入による発現上昇を観察する.
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