研究分担者 |
東 信行 弘前大学, 農学生命科学科, 助教授 (40262977)
稲垣 正 東京大学, 海洋研究所, 教務職員 (00151572)
森沢 正昭 東京大学, 大学院・理学系研究科・附属臨海実験所, 教授 (40013594)
山本 喜多男 三井造船, 昭島研究所・エンジニ・アリンクー部, 課長(研究職)
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研究概要 |
海洋生物の形態測定は,採集して海上や陸上で計測することが唯一可能な方法である。水中ビデオやカメラによる撮影で形態を測定するために,当初は3次元ステレオスチールカメラによる方法を考えていたが,対象との角度,十分な光量の必要性,シャッターチャンスなど問題点があった。そこで,我々は,デジタルカメラを装着した水中テレビロボット(三井造船RTV-100MKIIの改造)を開発し,実際の撮影とプールでの標準体の撮影をおこない,形態計測の可能性を導くことができた。装着したカメラの解像度は35万画素であり,現在入手できる市販カメラ350万画素の1/10であるために,解析精度は落ちるが,その利用法を確立できた。デジタルカメラは夜間撮影能力の向上にもなった。高感度性を利用して生物を極力驚かさずに夜間の走行を可能とした。種々の採集用具の取り付け,環境測定システムの装着は,操縦への支障および取り付け場所の狭さから,本研究で使用した小型ROVでは,別途に従来の方法による採集および環境測定と併用する作業をとらざるをえなかった。ビデオおよびデジタルカメラの撮影データは採集した生物を反映し,その環境調査と撮影データよる生物の生態を総合的に解析することが可能となった。ビデオとカメラのデータ処理は,市販のソフトComposerとβカム録画のシステムを準備したが,最終的には市販のソフトPhotoshopを使って,形態の測定と行動の解析を行った。画像処理ソフトの向上も著しく,開発よりも市販ソフトの機能を利用する方策を取った。解析の自動化に向けてソフトの選択が今後重要になってくるはずである。魚群探知機による定量解析へのサポートは,現在の魚探能力では無理があり,逆に,魚探を使わずに,デジタルカメラ装着のROVによる探索が有効であった。今後は,開発したROVを利用したデータ収集に努め,より精度の高い形態測定を目指したい。
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