研究課題/領域番号 |
09555001
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
関口 隆史 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (00179334)
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研究分担者 |
北沢 告一 日立製作所, 計測事業部, 主任研究員
富澤 淳一郎 日立サイエンスシステムズ, 第一設計部, 研究員
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キーワード | カソードルミネッセンス / 半導体 / 量子構造 / ZnO / Diamond / InGaAs / GaAs |
研究概要 |
本研究は、ナノスケールの材料の機能評価法を確立することを目的として、50nmの空間分解能を有するカソードルミネッセンス(CL)測定装置を開発している。本年度は1kV程度の低加速電圧でCL測定を行うために、最大25nAの電流量が得られる熱陰極型電界放射電子銃を製作した。電極はZr-O/W Schottky emission型とし、二段縮小レンズ系によって2nmの最小ビーム径を実現した。さらに、電子ビームの制御のためにビームブランキングユニットも整備した。この電子銃を既存の走査電子顕微鏡に組み込んで、動作確認を行った。現在は、カソードルミネッセンス観察のための光学系の調整を行っている。 上記開発と平行して、(1)四面体溝を利用したInGaAs/GaAs量子ドットの評価、(2)ZnO結晶の紫外発光の研究、(3)ダイヤモンド薄膜の表面近傍における水素誘起の発光準位の研究、を行った。(1)では2μm間隔で配列した個々の量子ドットからの発光を分光し、温度依存性や励起強度依存性を調べ、設計どおりの量子ドットが形成されていることを検証した。(2)ではZnO結晶の緑色発光準位の結晶内分布を観察し、水素プラズマ処理により緑色準位がパッシベートされることを見いだした。(3)では表面近傍における水素に関連した発光準位を発見し、励起電庄を変化させ、この準位の深さ分布を調べた。これらの研究を通して、カソードルミネッセンスを用いたナノスケール材料の電子構造評価法の確立に務めた。
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