研究課題/領域番号 |
09555002
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
長谷川 文夫 筑波大学, 物質工学系, 教授 (70143170)
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研究分担者 |
碓井 彰 NEC光, 超高周波デバイス研究所, 担当部長
末益 崇 筑波大学, 物質工学系, 講師 (40282339)
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キーワード | GaN / ハライド気相成長 / バルクGaN / ナイトライド / 青色レーザ・ダイオード / HVPE / 六方晶GaN / GaAs基板 |
研究概要 |
平成10年度、既に企業によりInGaN/GaN系レーザ・ダイオードのサンプル出荷が始まった。残っている問題は、1.バルクGaN基板がない、2.劈開面が得られない、ことである。本研究の目的は、これらの問題を解決することである。これらの課題は立方晶バルクGaN基板が得られれば解決すると言うことで、初年度(平成9年度)はハライドVPE法によるGaAs基板上への立方晶GaNの厚膜成長について検討したが、系レーザ・ダイオードのサンプル出荷が始まったので、2年度目(平成10年度)は途中より、研究テーマをGaAs(111)基板上への六方晶GaNの厚膜成長に切り替えた。 サファイア基板上では選択成長法などの導入により、既に結晶性の良い六方晶GaNの厚膜が得られつつある。しかしながら、サファイアは非常に固く、容易には研磨、エッチングが出来ないため、free standing GaN基板を得ることは容易ではない。一方GaAsはGaNがエッチングされない王水によって容易に除去することが出来る。しかし逆にGaAsは柔らか過ぎてGaNを成長できる高温に耐えられないと言う欠点がある。 GaAs(111)B基板上へのGaNの成長について検討した結果、GaAs(001)基板上に比べて、GaAs(111)B基板上へはGaN単結晶を成長させることが難しいことが判った。これと異なりAlNはGaAs(001)基板上よりもむしろGaAs(111)B基板上で六方晶GaN単結晶が得られた。これは六方晶AlNが六方晶GaNより、より安定であるためと考えられる。 きれいな六方晶GaNの成長には基板温度1000℃が必要である。Buffer層の成長温度を550℃にし、3段階の成長をすることにより、GaAs基板上にも1000℃で成長出来ることが判った。更に、1000℃で成長した場合には、成長条件によって厚くて平坦な六方晶GaNが成長できる事が判った。
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