研究課題/領域番号 |
09555008
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
米田 仁紀 電気通信大学, レーザー極限技術研究センター, 助教授 (00210790)
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研究分担者 |
馬場 和宏 NEC機能材料研究所, デバイス材料研究部, 研究専門課長
西岡 一 電気通信大学, レーザー極限技術研究センター, 助教授 (70180586)
植田 憲一 電気通信大学, レーザー極限技術研究センター, 教授 (10103938)
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キーワード | テラヘルツ放射 / ダイヤモンド / ドリフト速度 / キャリヤー寿命 / 超短パルスレーザー / 気相合成法 / 電気光学測定 / 高出力電磁波源 |
研究概要 |
高出力THz光源の開発としての鍵となるダイヤモンド光伝導特性を評価するため、超短パルスレーザーをポンプ光とした光生成キャリヤー、電気パルス、空間放射電磁場計測システムを構築した。特に、観測空間分解能1μmを達成させ、多結晶CVDダイヤモンド薄膜の一つの粒界内でのキャリヤー寿命分布が計測できるようになり、CVDダイヤモンドで初めて粒界のキャリヤー寿命に対する影響が測られた。この計測システムを用いて現在高エネルギー光子を用いたレーザーアニール等によりキャリヤー寿命や移動度の改善の可能性について新たな研究が始まっている。これらは、ダイヤモンド薄膜を電子デバイスとして応用するための基礎研究になっている。 一方、CVDダイヤモンドのテラヘルツ帯での特性を調べるために電気光学サンプリング法を用いた時間ドメイン分光をDC〜30THzの間じ行った。この結果、高出力化で対象となる数THzの領域まではほぼ吸収に影響されないことが確認された。これらの結果を得て、高出力THz発生用ダイヤモンド設計を行った。 設計では2次元への発展性を見込んでマルチ電極を用いた櫛形構造をとり、2インチウエハー内に300近い平行ギャップを配置した形となっている。遠視野での正負電界からのキャンセルを避けるためにスイッチレーザー光にマスクによる空間変調をかけ、単一電界のみの放射を実現している。ただし、CVDダイヤモンド上のリソグラフィー技術を用いたマルチ電極化での技術的な問題(表面荒さのために電極が一部低インピーダンス化してしまう)があり、現在の印加電界は10^5V/cmに限られている。(単一素子では10^6V/cmを超えている。)この状態でも10kWをこえる出力と2次の電界強度依存性が確認されている。今後素子の電極技術の改良によりMW級のエミッターが可能になる予定である。
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