研究課題/領域番号 |
09555013
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
前田 三男 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 教授 (80037910)
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研究分担者 |
中田 芳樹 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 助手 (70291523)
興 雄司 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 助教授 (10243908)
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キーワード | エキシマーレーザー / レーザーアブレーション / レーザー誘起蛍光法 / 表面分析 / 原子蛍光分析 |
研究概要 |
我々は、従来の原子蛍光分析装置の試料原子化(アトマイザー)にアブレーションを利用することを試み、この方法をLaser Ablation Atomic Fluorescence(LAAF)分光法と名付けた。LAAF分光法はあらゆる元素分析法の中で最も検知感度の高い方法である。本研究はこのLAAF分光法を固体表面分析を適用し、特定元素の深さ方向の分布をサブナノメーターの分解能で高感度に検知することを目的とする。 その方法は減圧(〜1Torr)下で資料表面を繰り返し紫外エキシマーレーザーでアブレートし、そのプルーム中に特定元素の共鳴線に同調した可変波長レーザー光をプローブとして入射し、LIFを観測することによって、深さ方向に分布する元素の密度分布を測定しようとするものである。本年度行った研究とその成果は以下の通りである。 1.Naを含有する色ガラスについて上述のLAAF分析実験を行った。その結果、ArFエキシマーレーザーを用いた場合、フルエンス約100mJ/cm^2のあたりにアブレーションが開始するしきい値が存在し、しきい値より少し上のフルエンスでアブレートした時1ショット当たり1nm以下の極薄膜のアブレーションが可能であることを見出し、同時にショット毎に一定したNaのLAAF信号も検知できた。 2.ポリマー、半導体、金属など種々の材料に波長に違ったいろいろなレーザー光を照射し、そのアブレーションの様子を観測したところ、PMMA等のポリマーで、特に短波長のArFレーザーを用いた場合、上述のガラスと同様の良好なサブナノメートルアブレーションが可能であった。 今後は元素含有率のわかった試料でLAAF計測の感度検定を行うとともに、半導体分野で重要なSi表面への適用を試みる予定である。
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