研究課題/領域番号 |
09555014
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉田 啓二 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 教授 (80108670)
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研究分担者 |
井上 靖之 NTT光エレクトロニクス研究所, 研究主任
木須 隆暢 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 助教授 (00221911)
永妻 忠夫 NTTシステムエレクトロニクス研究所, 主幹研究員
円福 敬二 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 助教授 (20150493)
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キーワード | 超伝導 / 光変調器 / LiNbO_3 |
研究概要 |
次世代の超高速光通信システムの変調部にTi拡散LiNbO_3光変調器を用いることが検討され、性能向上に向けて改良がなされている。本変調器の性能指数として周波数帯域と変調電力があげられこの制限原因として変調電極の損失があげられる。本研究は、電極に低損失の超伝導電極を用いることによって性能の大幅な向上を図ることを目的としている。 本研究では、平成9年度において進行波型光変調器に超伝導電極を導入することを試みた。まずコンピュータシミュレーションにより常伝導金属と超伝導金属の場合の性能の違いを明かにする。次いでTi拡散Y-cut光変調器を作製する。電極として金属超伝導体薄膜を用いる。光ファイバとLiNbO_3基板との接続は紫外線硬化樹脂を用いた端面直接結合法を用いる。低温実験は、液体ヘリウムにデバイスを侵漬して行う。マイクロ波変調特性の測定は、マイクロ波源のAM変調による包絡線検波法を用いる。 コンピュータシミュレーションにより変調電力および変調帯域幅の周波数依存性について、常伝導金属(Au:300K.Au:77K)と超伝導体(YBCO:77K.Nb:4.2K)の場合について比較を行った。超伝導電極を導入すれば変調帯域が広くなり、変調電力は大幅に減少可能であることが明かとなった。また電極の長尺化により変調電圧を1V以下に低減できることが示された。超伝導電極を用いた実験において、dc〜26.5GHzの周波数領域で変調特性の観測に成功した。これを変調電極の伝送特性の測定より得られた減衰定数α=4.3×10^<-3>dB/cm・(GHz)^2を用いたシミュレーションの値と比較すると良い一致が得られ理論的モデルの妥当性が実証できた。このことより、超伝導電極の導入により理論的に予測される光変調器の性能向上が期待できる。
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