研究課題
基盤研究(B)
本研究は、光変調器の信号電極損失による性能限界を打破するため、世界に先駆けてLiNbO_3光変調器の信号電極として超低損失・低分散の特徴を有する超伝導電極を導入することにより超高速・低電力の光変調器実現の端緒を開くことを目的とした。このため、まず超伝導電極の導入の際に前提となる光変調器の低温での動作確認の実験、及び低温計測技術の確立を行った。ついで超伝導電極のマイクロ波特性、光変調器のマイクロ波動作特性を明らかにし、順次高度化することにより超伝導電極導入による性能向上の実験を行った。平成9年度は、低温実験可能なLiNbO3基板端面と光ファイバの接続法を確立し、低温での光挿入損失特性を明らかにした。光変調器の半波長電圧、DCドリフトの温度特性を測定し、光変調器の低温動作特性を評価した。既存のネットワークアナライザを用いて0.01GHz〜26.5GHz帯での信号用超伝導電極の伝送特性を評価した。平成10年度は、平成9年度の結果をもとに、光変調器の低温動作を総合評価し、問題点を明らかにした。また、超伝導電極の導入による広帯域化・低電力化の特性についても総合評価した。平成11年度は、超伝導シールド電極を用いた速度整合回路を導入しマイクロ波変調実験を行い、低電力化の検討を行った。また、実用化に向けての光変調器の総合評価を行った。なお、本研究成果は、この分野の権威ある論文誌「IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques」の「マイクロ波及びミリ波フォトニクス特集号」に掲載された。
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