研究課題/領域番号 |
09555016
|
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
堀中 博道 大阪府立大学, 工学部, 教授 (60137239)
|
研究分担者 |
中村 健次 (株)島津製作所, つくば技術センター, 部長
和田 健司 大阪府立大学, 工学部, 助手 (40240543)
|
キーワード | 光CT / 散乱媒質 / 位相変調 / 偏光解消 / 生体組織 / 果実 / 異物検出 |
研究概要 |
1. 撮影データ取得プログラム、再構成プログラムの改良 撮影データ取得プログラムを新たに作成し、同じパソコンで一貫してデータ取得と画像再構成が行えるようにした。また、画像再構成プログラムの改良も行い、画像表示の調整がより簡単に、細かく行えるようにした。 2. 撮影データ取得装置の改良 撮影データ取得装置の光学ボードの上に、さらにコンパクトに組み直した。試料から受光部分を金属板で覆い、遮光と電気的なシールドをより完全なものにした。信号取得、データ処理用パソコンをブック型に代え、信号処理部分をより小型化した。 3. 装置の応用実験 3-1 果実成分の2次元分布の測定 本装置の重要な応用の例として果実の評価装置がある。果実成分の2次元分布を得るためには、特性吸収スペクトルが必要であり、まず、水、糖(ブドウ糖、しょ糖、果糖)の吸収特性を測定した。水分の吸収はブロードであり、糖は910nm付近にピークをもつが水の吸収に比べると極めて弱い。また、実際の果実では、クロロフィルAによると思われる吸収のピークが670nm付近に観測された。この吸収は、果実の熟成度と関係があり、評価に使えるものと考えた。これらの結果から、光源として用いる半導体レーザーとして910nm、670nm、さらに、水の吸収のみが存在する波長として790nmの3種類のものを購入し、切り替えるようにした。蜜柑を試料として光CT画像を測定し、3種類の波長による画像の違いを確認した。 3-2 食品における異物の測定 本装置の食品などにおける異物センサーとしての応用を検討するための実験を行った。試料として、市販の発酵乳の中に、異物として白いプラスティックの筒を入れたものを用いた。本装置を用いて光CT画像を測定したところ、プラスティックの筒の存在をはっきり確認することができた。
|