研究課題/領域番号 |
09555016
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
応用光学・量子光工学
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
堀中 博道 大阪府立大学, 工学部, 教授 (60137239)
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研究分担者 |
中村 健次 (株)島津製作所, つくば技術センター, 部長
和田 健司 大阪府立大学, 工学部, 助手 (40240543)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | 光CT / 散乱媒質 / 位相変調 / 偏光解消 / 生体組織 / 医療診断 / 果実 / 異物 |
研究概要 |
偏光保存フォトンを利用した小型光CT装置の試作のために基礎実験の結果をもとに、設計を行った。小型光学ボードの上に、半導体レーザー、位相変調器、試料移動ステージ、検知器などを配置し、ロックインアンプ、電源を小型のラックに収めた。ブックパソコンを用いて、ステージやロックインアンプのゲインの制御、データー処理、画像再構成、表示を一貫して行えるようにした。実験によって-110dBまでの散乱媒質の濃度範囲で散乱光成分を抑制できることが示された。 試作した装置について次の2つの応用を検討した。 (1)果実の品質評価装置 試料としてピーマンや蜜柑(直径8cm程度)を用い、投影データから画像再構成を行った。得られた光断層画像では、房や芯などの存在を見ることが出来た。光CTの特長は、分光学的情報から各成分の2次元分布が得られるところにある。果実成分として水分、糖分、クロロフィルAを考え、それぞれの特性吸収波長に合わせた3種類の半導体レーザーを用いて、光CT画像を再構成した。実験の結果、異なる濃淡分布の画像が観測され、成分ごとの2次元分布が得られる可能性が示された。 (2)食品中の異物センサー X線は食品などにおける金属片の検出に極めて有効であるが、プラスチック片などに対しては適用することができない。そこで本装置の異物センサーとしての実験を行った。試料として、市販の発酵乳の中に、異物として白いプラスチックの筒を入れたものを用いた。得られた光CT画像には、はっきりと異物の存在が現れており、本装置の有効性が示された。 本装置の測定の基本原理は準直進光抽出にあり、試料の吸収だけでなく、屈性率勾配の影響も受けやすい。これは、画像における吸収の定量性ということでは問題であるが、異物検出などの応用おいては積極的に利用できるものと考えられる。
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