研究概要 |
本研究の高感度,高分解能ガス分析装置は,おもに導波形炭酸ガスレーザ,高感度,高分解能ガス吸収セル,10.6μm帯広帯域光変調器から構成されている. 平成9年度は,まず,広帯域周波数可変炭酸ガスレーザ用導波形ガスレーザを導波路内径5mm,導波路長25cmのアルミナパイプを用いて試作し,出力8Wが得られた.次に,ファブリ・ペロ-干渉計内にホワイトミラーを挿入した高感度,高分解能ガス吸収セルの設計を行い,設計にもとづき,ファブリ・プロ-干渉計(ミラー反射率98%,ミラー間隔40cm)内にホワイトミラー形ガス吸収セル(ミラー曲率5m,反射率99.7%,ミラー間隔30cm)を挿入したガス吸収セルを試作した.この場合,ファブリペロ-形干渉計だけで吸収セルを挿入する場合,吸収セル長は40cm以内に制限されるが,ホワイトミラー形吸収セルを挿入することにより,ホワイトミラー内で光波が10回往復しているため光路長は6mとなり,吸収セルの実効長が約20倍となり高感度,高分解能ガス吸収セル装置の実現が期待できる. さらに,CdTe電気光学結晶(2mm×2mm×15mm)を5個用い,各結晶間隔を変化させ光波と変調波の速度整合をとることにより,4.5GHzから18GHzまでの10.6μm帯広帯域光変調器の設計を行った.現在,設計にもとづき変調電力供給用マイクロストリップ線路内にCdTe電気光学結晶を装荷した広帯域電気光学光変調器を試作し,ベクトルネットワークアナライザーを用いてマイクロ波伝送特性の測定,および進行波増幅器と変調器を組み合わした広帯域光変調装置の試作を行っている.
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