研究課題/領域番号 |
09555020
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
早川 禮之助 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00011106)
|
研究分担者 |
古澤 浩 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (20282684)
木村 康之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (00225070)
|
キーワード | 非線形応答 / 周波数スペクトル / 高調波スペクトル / デジタル・バランス法 / 非線形複素誘電率 / 非線形複素導電率 |
研究概要 |
本年度は以下に述べるような広帯域(10mHz〜10MHZ)・高精度の周波数域スペクトロメータの試作を行なった。波形発生器(HP33120A)からの低ひずみ正弦波電圧出力をプログラマブル・アナログフィルタ(3628)に通すことにより高調波成分の除去を行ない、全測定周波数範囲で全高調波歪みが-50dB以下の高純度の正弦波入力電場を作り、試料に印加する。試料からの電気的応答は、高速演算増幅器を用いた低ひずみの検出回路に入力され、電圧信号に変換された後、高速(50nsサンプリング)・高分解能(14ビット)のベクトル・シグナル・アナライザ(HP89410A)に取り込まれて基本波成分の高精度検出が行われる。次に、この基本波成分と180°位相の異なる信号をもう1台の波形発生器においてデジタル的に合成し、これと試料からの電気的応答との差を差動増幅器を用いて検出したのち、ベクトル・シグナル・アナライザに導くことで、高調波成分の高精度測定を行なう。このようなデジタル・バランス法を導入することで高調波成分の検出精度の飛躍的な向上および検出回路系で発生する非線形成分の除去が可能となる。差動増幅器の出力信号はベクトル・シグナル・アナライザ上でA/D変換後、FFT処理され、得られた基本波および各高調波成分の複素振幅はGPIBを介してパーソナル・コンピュータ(G6-200)に転送されて、これらから線形および非線形の複素誘電率(または複素導電率)の緩和スペクトルが計算される。以上のシステムはすべてGPIBを介して、パーソナル・コンピュータにより自動制御される。
|