研究課題/領域番号 |
09555023
|
研究機関 | 大阪電気通信大学 |
研究代表者 |
生田 孝 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (20103343)
|
研究分担者 |
岸岡 清 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (50109881)
|
キーワード | 能動型画像処理 / 焦点深度拡大法 / 無収差観察法 / 位相差顕微鏡法 / マルチスペクトル顕微観察法 / 3次元結像特性 / 能動型合成結像法 / 傾斜照明 |
研究概要 |
本研究の目的は、過去一般研究や試験研究として補助を受けた一連の能動型画像処理に関する研究をベースにして、傾斜動的ホローコーン照明と8の字型フィルタリング処理を利用した無収差焦点深度拡大位相差顕微鏡を試作、その実用性を評価するとともに、マルチスペクトル分光顕微鏡として動作できることを確認する所にある。この目的に添い平成9年度にはまず以前の科研費補助金にて購入した光学顕微鏡をベースにして傾斜動的ホローコーン照明部を追加するとともに、照明部制御プログラムと外部ワークステーション上での処理プログラムならびにネットワーク関連のプログラム作成を行い、無収差焦点深度拡大位相差顕微鏡としての仕様を満たしていることを確認した。 平成10年度においては傾斜動的ホローコーン照明法と8の字型フィルタリング処理による無収差結像法の基礎理論を確立し公表した。これによれば、光軸回りの回転不変性を有する波面収差(デフォーカス、主および高次球面収差)に付いては、8の字フィルターの狭帯域化により焦点深度の拡大と収差の除去が可能であるとともに、光軸反対称型の波面収差関数を持つ主コマ収差については画像移動のみの影響ですむ事が結論されている。一方実験面では上記無収差焦点深度拡大位相差顕微鏡に高輝度白熱ランプを使用して、2色染色試料(風媒花粉)などの観察をおこなったが、目下充分なスペクトル分解顕微鏡像を得るには至っていない。その主原因は観察像中の非線型結像成分の影響、及び低空間周波数部分のスペクトル抽出域の重なりによると考えられる。前者は中、高空間周波数、後者は低空間周波数部分のスペクトル分解能を低下させる要因になりうる。現在これらの解析と対策とを継続して検討中である。また透過型電子顕微鏡への適用は本研究の一部であるが、共同研究者側のマシンタイムの制約により次年度以降予備実験を行う予定である。
|