微小変位低荷重マイクロ構造疲労試験機とそれを用いた強度評価法の開発

1997 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 09555028
• 研究機関: 横浜国立大学
• 研究代表者: 白鳥 正樹 横浜国立大学, 工学部, 教授 (60017986)
• 研究分担者: 小林 隼人 JTトーシ(株), 技術本部, 本部長(研究職) ; 奥本 裕 日本たばこ産業(株), 機械事業部, 部長(研究職) ; 小笠原 永久 横浜国立大学, 工学部, 助手 (60262408) ; 于 強 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (80242379)
• キーワード: マイクロ構造 / 材料試験機 / 疲労強度 / 疲労寿命評価 / 応力ひずみ評価

研究概要

本研究の目的は微小変位低荷重マイクロ構造疲労試験機(最大変位ストローク:10mm、最高変位精度:0.1ミクロン、最大負荷:500N、繰返し周波数:1.0×10^<-4>〜20Hz)の開発およびそれを用いた強度評価法の開発を目的とする。
上記研究目的を達成するために、平成9年度では所定の研究を行い、次のような成果が得られた。
(1)微小変位低荷重マイクロ構造疲労試験機の基本設計を行った。
・本試験機の基本性能として設定した基本仕様の妥当性について検討を行い、次のような基本仕様を設定し、基本設計を行った。
最大変位ストローク:10mm、最大変位精度:0.1ミクロン、最大負荷:1500Nとする、繰返し周波数:1.0×10^<-4>〜20Hz
・変位制御は基本的に試験片のチャック間の相対変位を直接に計測し、リニアアクチュエーターおよび圧電素子アクチュエーターの制御にフィードバックし変位制御を行った。
・荷重計測は無変形荷重計測機構を取り入れ、その制御機構を設計した。
(2)微小変位低荷重マイクロ構造疲労試験機の設計および製作を行った。
・(1)において確定した基本設計に基づいて試験機のフレーム、変位推進機構、試験片セッティング機構、試験片チャック、荷重計測機構の設計および製作を行った。
(3)マイクロ構造の力学的特性の評価システムを構築した。(白鳥、于、小笠原)(購入するパソコンによって実行する)
・マイクロ構造の顕微鏡写真のスキャンニング画像(2次元)から試験体の形状情報を取り出し、その情報を利用して有限要素法解析モデルを作成するシステムを完成した。
・汎用有限要素法解析ソフトに確率有限要素法の手法を取り入れ、各種マイクロ構造の応力・ひずみ評価手法を確立した。

研究成果

• [文献書誌] Shiratori,M. and Yu,Q.: "Life Assessment of Solder Joint" Advances in Electronic Packaging,ASME. EEP-Vol.19-2. 1471-1477 (1997)
• [文献書誌] 柏村、白鳥、于: "統計的最適化手法におけるばらつきと構造信頼性の評価" 日本機械学会論文集(A編). 63-610. 1348-1353 (1997)
• [文献書誌] Yu,Q., Shiratori,M., and Kojima,N.: "Frtigue Crack Propagating Evaluation of Microelectronics Solder Joints" Advances in Electronic Packaging,ASME. EEP-Vol.19-2. 1445-1450 (1997)
• [文献書誌] Yu,Q., Kashiwamura,T., Shiratori,M, and Satoh,K.: "Reliability and Structure Optimization of BGA Packages" Advances in Electronic Packaging,ASME. EEP-Vol.19-2. 1761-1765 (1997)
• [文献書誌] Yu,Q.and Shiratori M.: "Fatigue-Strength Prediction of Micro-electronics Solder Joints Under Thermal Cyclic Loading" IEEE Trans.Comp.,Hybrids,Manufact.Technol.vol.20,no.2,pp. 266-273 (1997)