研究課題/領域番号 |
09555028
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
白鳥 正樹 横浜国立大学, 工学部, 教授 (60017986)
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研究分担者 |
小林 隼人 JTトーシ, 技術本部, 本部長(研究職)
奥本 裕 日本たばこ産業, 機械事業部, 部長(研究職)
小笠原 永久 横浜国立大学, 工学部, 助手 (60262408)
于 強 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (80242379)
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キーワード | マイクロ構造 / 材料試験機 / 疲労強度 / 疲労寿命評価 / 応力ひずみ評価 |
研究概要 |
実装技術の小型化によりはんだ接合部寸法のマイクロ化は進み、フリップチップのはんだ接合部のように高さおよび直径は既に百数十ミクロンから数十ミクロンにまでなっている。この部材の微小化に伴い、結晶粒度、不純物介在物、マイクロボイド、表面ミクロクラック、酸化膜、加工変質層などの材料強度に及ぼす影響はバルク材料に比べ大きいので、バルク材料の強度=微細部材の強度とは必ずしもならない。そのため、これらのはんだ接合部の強度信頼性評価実験は今までのように標準試験片を用いて行うことが出来なくなり、実構造の強度評価試験を行わなければならない。マイクロマシンのようなマイクロ構造物の強度信頼性評価においても同じ問題がある。本研究の目的は微小変位低荷重マイクロ構造疲労試験機の開発およびそれを用いたマイクロ構造の強度評価法の開発を目的としている。 平成10年度において得られた研究結果は次のようになる。 (1) 平成9年度に行った以下の研究項目を引き続き行った。 ・微小変位低荷重マイクロ構造疲労試験機の設計および制作を行った。 ・マイクロ構造の力学的特性の評価システムを構築した。 (2) 制作された試験機の基本テスト運行を行った。 (3) マイクロ構造によく使われる微小引張試験片、薄板の曲げ試験片、異種材接合構造のせん断試験片を用いて各種試験を行い、試験片のチャッキング方法、マイクロ構造の基本試験法を確立した。 (4) 強度評価試験の例としてフリップチップはんだ接合部(高さ:80ミクロン、直径:150ミクロンの樽形)を用いて疲労強度評価を行った。 ・フリップチップはんだ接合部が受ける負荷はシリコンチップと基板の間に生じる線膨張ミスマッチによるせん断変形であるため、フリップチップはんだ接合部のせん断疲労試験を行って、疲労寿命を調べられることを確認した。 ・はんだ材料は非常に顕著な力学的非線形性(弾塑性/クリープ)を有するため、実験条件に合わせて有限要素法解析による非線形応力ひずみ評価を行い、応力・ひずみに対する材料特性、形状などのばらつきの影響を明らかにした。 ・疲労実験と応力ひずみ評価解析の結果に基づいてはんだ接合部の疲労強度実験法および強度信頼性評価法を確立した。
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