研究概要 |
本研究では,レーザラマン分光マッピングおよび走査型原子間力顕微鏡を基礎とする,ナノ欠陥追跡・解析装置を試作するとともに,それを用いて,マイクロマシン用機械要素や複合材料強化用繊維などのμmオーダの内部応力やnmオーダの表面損傷を評価するための基礎技術を開発することを目的とする。今年度は,アルゴンイオンレーザ,CCD検出器,およびXYZ自動ステージを組み合わせて,ラマン分光が可能なシステムを構築して,μmオーダのSi単結晶微小機械要素のラマンシフトが精度良く測定可能なことを確認した。さらに,疲労荷重負荷等による内部応力変化を測定するための基礎的実験を行っている。併せて原子間力顕微鏡を用いて,μmオーダの微小材料の損傷を捉えることが可能であることを明らかにし,アラミド繊維の真空環境放置,大気中・真空中疲労荷重による表面損傷を可視化して,疲労強度に及ぼす真空環境効果について考察を加えた。さらに,アラミド繊維の表面性状観察にあたって,接触モードおよびタッピングモード原子間力顕微鏡の像形成の差異について検討を加え,環境室制御ナノ欠陥追跡・解析装置の基礎技術について検討を加えた。
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