研究概要 |
本年度はレーザ光を任意位置へ導入する方法について重点的に検討を行った.さらに微小スポット径による計測手法として有効な方法についても検討した. 1. レーザ光を計測対象まで導入する方法としてまずミラーによる手法を確立した.溶射平滑試験片の疲労試験にこれを適用した.このサンプルの疲労荷重負荷条件下におけるき裂発生ならびにはく離挙動を計測する際,ミラーとハーフミラーの組み合わせにより,種々の位置における観察を容易にすることができた. 2. 次に微小スポット径による計測の可能性を調べるために,セラミックスサンプルに発生したき裂の開口変位分布を計測することを試みた.ここでは微小スリットを有するミラーを用いてレーザ照射領域を制限することにより,計測領域の絞り込みを行った.レーザ照射を絞り込んだ方向にはスペックルサイズは大きくなり,計測が出来なくなるが,それと直行する方向,この場合き裂開口変位方向には従来通りの計測が可能であることを明らかにした. 3. 最後に生体用材料の中でも微小なサンプルを対象にする歯科用材料に対するスペックル法の適用について検討した.歯科用コンポジットは半透明な材料であり,直接計測しようとすると,透過光のためスペックルゲージが使えないことがわかった.そこで酸化マグネシウム蒸着処理によりこれを回避することにより計測可能となることを明らかにした.引張り試験のみならず圧縮試験や疲労試験に対しても適用可能であることも明らかにした.
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