研究概要 |
1.パソコン上でのシミュレーションにより位相シフト走査モアレ法および可変ピッチ位相シフト走査モアレ法(以後まとめて位相シフト走査モアレ法という)の正しいことを確認した.また,そのためのアルゴリズムを開発した. 2.位相シフト走査モアレ法のハードウエア回路(実時間等高線等変位線表示画像処理システム)としては,直接,演算回路を組む方法と,ディジタルシグナルプロセッサーを利用する方法を比較した.その結果,コストと今までの業者の経験より前者を採用することにした. 3.実時間等高線等変位線表示画像処理システムを設計・試作し,購入した. 4.投影格子の位相シフトを行う装置として,液晶プロジェクタを用いる方法とスライドプロジェクタを用いる方法を検討した.高速に処理したい場合や,厳密な処理をしたい場合はスライドプロジェクタを用いた方法が良いが,融通性や手軽さを考えると液晶プロジェクタが勝る.本研究ではどちらも使ったが,標準仕様は液晶プロジェクタとした. 5.位相シフト走査モアレ法のハードウエアのコントロールと解析をするためおよびその結果を表示するためのプログラムを制作した.これにより,実験はほぼ全自動ででき,実験途中の種々の情報を表示することができた. 6.本装置を用いて石膏プリミティブやボールなどの等高線計測および等変位線計測を行った. 7.最適な位相シフト量や表示方法を実物を用いて再検討し,改良すべき点を検討した. 8.高精度で定量的に解析したい場合のために,フーリエ変換位相シフト法などとリンクしたプログラムも作成した. 9.以上により,当初の期待どおりの成果が得られた.さらに高精度化高速化するための方法を検討中である. 10.微小物体を計測するための格子投影装置の設計製作を行った.
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