研究概要 |
格子投影法で得られた格子パターンの位相解析は、高精度な3次元形状計測に用いられており,レーザー干渉によって得られた干渉縞の位相解析は高精度な平面度解析に用いられている.位相解析法による解析精度は,格子のピッチまたは光の波長の1/10〜1/1000である. 格子や干渉縞の位相分布を解析するために,位相シフト法,フーリエ変換法が用いられており,我々も形状やひずみを解析するために,これらの方法やウエーブレット変換法やガボール変換法等の位相解析法を提案し,その有効性を示した.しかしながら位相解析法は一般的に多くの時間を要する.本研究では,3次元物体の形状計測や平面度の計測を実時間で行う次の4通りの方法を提案した.位相シフト走査モアレ法および位相差走査モアレ法.相関位相シット法.積分型位相シフト法である.これらの方法により実時間での精度よい位相分布を得ることができる. 本研究により,当初予定したした位相シフト走査モアレ法を用いて,格子を対象物に投影し,テレビカメラで撮影するだけで,その対象物の形状の等高線を実時間で美しく表示する装置を開発した.さらに格子投影法と組み合わせ,実時間で形状計測ができるだけでなく,形状変化を計測したり,基準の形状からのずれを実時間で表示することができた.また,レーザー干渉法と組み合わせ,実時間で位相分布を表示させることができた.現在,これらの形状計測は10μmオーダーの精度,平面度計測は10nmオーダーの精度である.
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