研究概要 |
コーティングを施した各種工具の損耗現象の究明を目的として,衝撃的な切削力の3軸方向成分を一切れ刃毎に計測できる切削力モニタリングシステムを新たに試作・構築した.これを用いて,切削条件と工具損耗との関連を定量的に求めるとともに,工具損耗の支配因子を特定した. 得られた結果は以下の通りである. (1) 現有の超高速切削加工機に試作した切削動力計を搭載し,各種被削材を対象に切削速度と切り込み量をパラメータとした加工実験と工具損耗試験を行い,切れ刃当たりの切削分力の特異性と工具損耗との関連性を明らかにした. (2) 高速切削時の工具摩耗のメカニズムの究明とモニタリングへの適用の可能性を明らかにした. (3) 切削条件と切削力,工具損耗との関連を定量的に求めるとともに工具損耗の支配因子を特定し,加工条件にフィードバックできるアルゴリズムを提言した. (4) すくい角とねじれ角gそれぞれ異なるエンドミル工具を用いて高硬度材の切削実験を行った結果,負のすくい角と強ねじれ角の工具が高速切削に適していることを切削抵抗から定量的に明らかにした.
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