研究分担者 |
大杉 幸久 日本碍子(株), 研究本部, 研究員
幸田 盛堂 大阪機工(株), 技術本部, 主任研究員
高橋 哲 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30283724)
高谷 裕浩 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70243178)
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研究概要 |
本研究は,マイクロメートルオーダの微小プローブ球をレーザトラッピング技術によって3次元捕捉し,その捕捉位置をナノメートルオーダの精度で検出する位相干渉計測技術を適用したレーザトラッピング座標検出プローブの試作開発を行うことを目的としている. 平成10年度は,新たな大気中レーザトラツピングプローブ光学系の設計・試作および基本特性実験および実際のマイクロ形状測定実験を行い,以下のような成果を得た. 1. 3次元光線追跡法と光放射圧理論を用いた新たなレーザトラッピングプローブ力学的挙動解析シミュレータを構築し,位置座標検出時のプローブ球の力学挙動を検証した. 2. 前年度に構築したレーザトラッピング光学系に,最大出力15WのQ-switchYAGレーザ(波長1064nm),ナノブロックステージ(最小移動量5nm)およびリニーク干渉計を組込だ大気中レーザトラッピング・プローブ測定システムを試作した. 3. 試作した測定システムを用いて,プローブ球として利用するLCD用高精度スペーサシリカ粒子(直径8μm)の大気中レーザトラッピングを実現し,ガラス基板上のシリカ粒子を高出力Q-switchパルスレーザによって一度補足すれば,大気中において0.1W程度のCW発振に切替ても安定したトラッピングが可能であることを明らかにした.さらにトラッピング基本特性やプローブ球座標位置の安定性を定量的に調べた. 4. Ljnnik干渉によってプローブ球表面に生成した干渉縞画像を計測し,プローブ球移動量と午渉縞変化の理論解析に基づく座標検出位置を求める新たな手法によってナノメートルオーダの位置座標検出が可能であることを示した. 5. 実験的に新たに見いだされたレーザトラッピングプローブの非接触位置座標検出原理に基づき,微小形状測定実験を行った.試料としてNISTトレーサブルなガラス球(粒径約160μm)を用いて,レーザトラッピングプローブによる3次元位置座標測定を試みた結果,本技術の有効性が検証された.
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