研究課題/領域番号 |
09555047
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
森脇 俊道 神戸大学, 工学部, 教授 (00031104)
|
研究分担者 |
田中 克敏 東芝機械(株), 工作機械事業部, 首席技監(研究職)
樋野 励 神戸大学, 工学部, 助手 (80273762)
社本 英二 神戸大学, 工学部, 助教授 (20216146)
|
キーワード | 楕円振動切削加工法 / 超精密切削 / ダイヤモンド工具 / 共振周波数自動追尾 / 切削抵抗 / びびり振動 / ばり / 加工精度 |
研究概要 |
今年度は、楕円振動切削加工における最適加工条件および実用的諸効果を明らかにすることを目指して研究を行い、下記の成果を得た。 (1) 最適な楕円振動切削加工条件 楕円振動の軌跡、傾き、周波数などについて、最適な条件を検討した。その結果、切削方向と切込み方向の振動振幅が等しく、位相差が90°の真円に近い振動軌跡で、速度比を8程度以上にすることが適切であること、などが分かった。 (2) 楕円振動切削加工法による諸効果の検討 楕円振動切削においては、切削抵抗と切り屑厚さが極めて小さくなることがすでに確認されている。ここでは、この基本的な効果から波及することが予想される以下の実用的効果について明らかにした。 ・ 三次元切削において楕円振動を付加する面は、切りくず流出方向を含むように設定することが適切であり、この時に切削力が最小になる。具体的に本研究の条件では、普通切削に比べて2桁程度減少した。 ・ 上述の切削力の低減に起因して、バリの発生をほぼ完全に抑制することが可能である。具体的に本研究の条件では、普通切削時に100μm程度のバリが発生していたのに対して、楕円振動切削時には顕微鏡でも観察されない程度に減少した。 ・ 切削力による変形が問題となる加工形状では、加工誤差を大幅に低減することが可能である。 ・ 再生型びびり振動の安定限界、すなわち臨界切込み量を増大させることができる。 ・ 被削材の工具への凝着を抑制することが可能である。
|