研究課題/領域番号 |
09555048
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
原田 達男 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70244415)
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研究分担者 |
芝井 広 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70154234)
角田 陽 東京都立大学, 工学研究科, 助手 (60224359)
佐久間 秀夫 東京都立大学, 工学研究科, 助手 (20128573)
古川 勇二 東京都立大学, 工学研究科, 教授 (10087190)
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キーワード | グリズム / 赤外線分光 / 回折格子 / シリコン単結晶 / ルーリングエンジン / 異方性エッチング |
研究概要 |
赤外分光観測用途を主対象とした高性能グリズム製作法として、機械・化学複合加工法を提案し、その製作プロセスに関する基礎的研究を行った。 このグリズム製作法は、あらかじめ特定結晶面(〈111〉面)を溝角相当量傾斜させて切断・研磨したシリコン単結晶基板を使用し、回折格子製作用専用工作機械であるルーリングエンジンを使用して基板上に機械的に回折格子パターンを形成し、シリコン単結晶の異方性エッチングにより、結晶方位により定まる正確な鋸歯状を形成するものである。 平成9年度は、機械・化学複合鋸歯状回折格子溝製作プロセスとして、シリコン基板上に塗布したホトレジスト膜への回折格子パターン形成技術、ホトレジストパターンをマスクとするシリコン酸化膜エッチング技術、シリコン酸化膜パターンをマスクとするシリコン単結晶異方性エッチング技術に関する実験的検討を行い、回折格子製作のための最適プロセスを探求した。 試作した溝間隔20μm、溝角3°の鋸歯状格子溝回折格子は、±0.1°以下の溝角度精度と、可視光に対し88%の回折効率を示し、従来の塑性加工を利用する機械的回折格子製作法と比較し、より高い格子溝形状精度が得られることが明らかになった。またこの結果は、本機械・化学複合鋸歯状回折格子溝製作プロセスが、高性能赤外用グリズム製作法に適していることを明らかにした。
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