研究概要 |
磁性体の角ねじと螺旋着磁された永久磁石のナットからなる,非接触式の磁気ねじの高剛性化,耐荷重の向上を研究の目的として,平成9年度は,以下の内容を行った. (1)磁気ねじの磁場解析用モデルの構築と精度評価 螺旋着磁された試作磁気ナットの表面磁束や,ナットとねじのずれによって発生する復元力の実験データと,磁気ねじの磁場解析モデルより得られる計算結果を比較することにより,構築した磁気ねじの解析モデルの精度の検証を行った. また,上記の計算結果と実験結果の比較から,予備試作の磁気ナットの着磁が不完全であることが明らかになった. (2)最適設計緒元の探索 (1)の磁場解析モデルを用いて,軸方向の耐荷重,剛性の向上に有効な形状の探索を行った.その結果,ねじの高さ,幅,ナットの永久磁石の厚み等の最適値が明らかになった. (3)磁気ねじ試験装置 磁気ねじの特性評価のため,磁気ねじ駆動による直動案内機構を試作した.機構の有する摩擦の影響を極力低減するため,ナットを固定する案内に,空気静圧案内を用い,ねじの駆動には,ブラシレスDCモータを用いた. (4)磁気ナット着磁装置 磁気ナットの最適な着磁条件等を明らかにするため,コンデンサ容量,着磁電圧が可変で,電流モニタを有する着脱磁可能な電源設備を導入した.
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