研究課題/領域番号 |
09555060
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
上條 謙二郎 東北大学, 流体科学件研究所, 教授 (90282003)
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研究分担者 |
長島 利夫 東京大学, 工学系研究科, 教授 (70114593)
山田 仁 航空宇宙技術研究所, ロケット推進研究部・流体機器研究室, 室長(研究職)
石本 淳 東北大学, 流体科学件研究所, 助手 (10282005)
尾池 守 東北大学, 流体科学件研究所, 助教授 (70292282)
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キーワード | ターボポンプ / インデューサ / キャビテーション / 旋回キャビテーション / 極低温 / 二相流 |
研究概要 |
LE-7液体酸素ポンプインデューサに発生した旋回キャビテーションはインデューサ入口部上流側のケーシング内径をわずかに広げることによりほぼ完全に抑止されている。まずこのケーシングの旋回キャビテーション抑止のメカニズムを調べた。LE-7液体酸素ポンプインデューサ(外径150mm)と形状がほぼ相似なインデューサ(外径127mm)を用いて旋回キャビテーションを抑止した前記形状ケーシングを用いた場合、旋回キャビテーションの発生領域が高流量側に移動し、設計流量付近はこの領域に含まれないことが明らかとなった。また旋回キャビテーション抑止はインデューサ入口チップ付近のインデューサ上流側への逆流に伴うキャビテーションと深くかかわっている可能性が明らかとなった。さらにインデューサ入口付近の逆流を含む流れを詳細に調べるため透明なケーシングを製作し粒子像解析法(PVI)による実験を開始した。 以上は作動流体に水を用いた実験であり、旋回キャビテーションの抑止に関する基本的メカニズムを明確にすることを目的としている。液体酸素や液体水素用ポンプインデューサを対象とした場合、この種の極低温流体の特殊な性質を考慮した解析が必要となる。キャビテーション気泡を含む極低温2相流体に関する非粘性流れの定式化を行い、先ず、定常状態流れについて、ロケット用ターボポンプのインデューサへの適用を検討した。計算モデルとしては、インデューサ翼間を1次元流路と近似し、回転による慣性力を考慮した。また、計算プログラムには、高速かつ安定なアルゴリズムの点からニュートンラプソン法を採用した。予備計算の結果、インデューサのヘッド上昇と入口ボイド率の関係が実験と傾向的に一致することが示された。
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