研究課題/領域番号 |
09555062
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
黒川 淳一 横浜国立大学, 工学部, 教授 (40017976)
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研究分担者 |
鈴木 良治 富士電気(株), 課長
山本 和義 (株)荏原総合研究所, 研究所長
吉井 総介 三菱重工業(株), 研究次長
北洞 貴也 横浜国立大学, 工学部, 助手 (30204910)
松井 純 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (40251756)
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キーワード | 流体機械 / ターボ機械 / 旋回失速 / ディフューザ / スクールブレ-カ / パッシブコントロール / ドラフトサージ / 旋回流 |
研究概要 |
本研究はターボ機械の旋回流れに伴う異常流動現象を抑制し、騒音や振動などを防止することを目的としている。本年度は遠心送風機の羽根付きディフューザ内に生じる旋回失速と、水車のドラフトチューブ内に生じるらせん状渦心のふれ回りに基づくドラフトサージに関して、流路壁面に浅い溝を多数設けることによる抑制効果を検証した。 ディフューザを用いた実験ではインペラ径がphi250mmの装置を用いた。案内羽根上下の平行壁にディフューザ入口から案内羽根までの間に放射状に深さ3mm、幅5mmの溝を等間隔で各78本設けた。溝を設けることにより低流量で発生していた旋回失速は完全に抑制されたが、水力損失の増加により揚程係数が最高で約0.08低下した。そこで溝を主板側である上側壁にのみ設け、さらに羽根の上部を貫通し外周側へ10mmのばした。これにより、溝無しの旋回失速発生臨界点である流量係数0.02付近より大流量側で揚程の低下量が減った。また低流量側での揚程は旋回失速の抑制により増加したために臨界点付近の揚程の右上がり特性がほぼ無くなった。このことから本方法は旋回失速を抑制するのみでなく、サージングの抑制にも有効であると言える。 ドラフトサージに関連した実験として入口直径156mmで後方直管部を持つ両広がり角30°、面積拡大率が4倍の円錐ディフューザに軸対称旋回流を流し、圧力および速度を定常測定した。ディフューザ部に軸に平行に深さ4mm、幅11mmの溝を30本設けた。溝を設けない場合に比べてディフューザ壁面近傍の軸方向速度が増加し、その分中心の逆流流速が増えている。直管部出口における旋回強さは入口に比べて人口旋回強さによらず約40%減少した。これにより流動状態が大きく変化することが分かったので、本方法によりドラフトサージの回避が可能であると思われる。
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