研究分担者 |
大林 哲郎 (株)大阪真空機器製作所, 技術センター開発グループ, グループ長代理
杉元 宏 京都大学, 工学研究科, 講師 (50222055)
高田 滋 京都大学, 工学研究科, 助教授 (60271011)
大和田 拓 京都大学, 工学研究科, 助教授 (40223987)
青木 一生 京都大学, 工学研究科, 教授 (10115777)
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研究概要 |
1.本真空ポンプの作動原理に応用される希薄気体に特有の流れ-温度場と系の幾何学的形状によって誘起される流れ-について,次の研究を行った. (a)一様温度の板の尖端付近で誘起される希薄気体の流れを実験的に調べた.この流れは,本真空ポンプの着想と前後して,代表者らが数値解析によって初めて指摘した新しい種類の流れである.本研究は初めてこの流れを簡単な装置により実験的に観測したものであり,世界的に注目されている. (b)それぞれが一様な温度の二重楕円筒間の希薄気体の振舞を,気体論に基く数値解析によって希薄度の広い範囲にわたって調べ,系に流れが誘起されることを示し,その流れの特徴,流れが誘起される物理的機構を明らかにした.この流れは低希薄度では温度場の局所的振舞によって理解できるが,それ以外では系全体の形状に大きく依存していることが示されている. 2.クライオポンプにおいて重要な気体の蒸発・凝縮流,およびこの流れに対する非凝縮性気体の影響について,以下の研究を行った. (a)球形凝縮相からの弱い蒸発流とそれへの弱い凝縮流を,気体論に基いて解析・数値解析の両面から調べ,希薄度の全範囲にわたって,蒸発(凝縮)流量,エネルギー流出(流入)量を精確に求め,同時に流れの詳細な構造を明らかにした.さらにオンサーガ-の関係式が任意の希薄度に対して成り立つことを示した. (b)平面凝縮相間の蒸発・凝縮流の振舞を,非凝縮性気体が凝縮相蒸気と混在する場合について,気体論に基く解析・数値解析によって調べた.広い範囲の希薄度にわたって流れの詳細が明らかになったが,とくに低希薄度では,非凝縮性気体が蒸発・凝縮流に与える影響を系統的に解明することに成功した.
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