研究分担者 |
BUECKLE Ursu 三洋電機(株), メカトロニクス研究所, 主任研究員
黒河 通広 三洋電機(株), メカトロニクス研究所, 主任研究員
太田 貴士 大阪大学, 工学部, 助手 (10273583)
辻本 公一 大阪大学, 工学部, 助手 (10243180)
梶島 岳夫 大阪大学, 工学部, 助教授 (30185772)
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研究概要 |
ファンから発生する空力騒音を解析することにより,空調機器における広帯域騒音を低減する設計援用ツールを構築することを目的として,大規模渦の数値シミュレーション(LES)モデルの汎用化,乱流渦に起因する音場の解析法の開発について研究を行った. 乱流渦を起源とする音場解析法の基礎として,任意形状の物体まわりの乱流を一般曲線座標による高次精度差分解析によるLESでシミュレートする方法を開発した.羽根車内の流れの解析においては,第一段階として,SGSモデルを用いずに数値粘性だけを用いて,翼端からの漏れ渦の挙動も含めた完全三次元解析を行った.一方、現状のLESにおけるSGSモデルは剥離を含む場合の信頼性に欠けるため,波状流路内の乱流のDNSデータベースを構築し,SGSモデルの検討を行った。その結果,一般化垂直応力モデル(GNSモデル)が比較的剥離流れの予測精度に適していることがわかった. 一方,ファン騒音の解析のために低マッハ数域での流れ場と音場の同時解析を実施するため,Hardinらの提案による分離解法を採用したコードを開発した.これにより,二次元キャビティ流れ,回転渦音の代表的な音場計算を実施し,精度検証を行った.騒音対策のためには音波の特定が重要であることから,音源指標の定式化が検討された.その結果,遠方への伝播性音に対する音源は圧力の2階時間微分項により表現され,前記の流れ場において,有効な音源指標となることを数値的に確認した.さらに,これら音源指標を乱流境界層音に適用し,壁近傍の乱流の組織構造が音源構造であることを可視化により示した.
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