研究課題/領域番号 |
09555067
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
大場 謙吉 関西大学, 工学部, 教授 (30029186)
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研究分担者 |
桜井 篤 関西大学, 工学部, 助手 (50162334)
板東 潔 関西大学, 工学部, 助教授 (70156545)
佐藤 行成 日本科学工業(株), 研究部, 部長
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キーワード | 光ファイバーレーザードップラー流速計 / 血液および不透明流体の測定 / 分布屈折率レンズを持つセンサーヘッド / 斜め切頭円錐型レンズ / センサーヘッド周りの流れ場 / 数値シミュレーション |
研究概要 |
(1)参照ビームモードの光ファイバーレーザードップラー流速センサー(LDV)をより高濁度の不透明または半透明流体にまで適用可能にするために、センサーヘッドの改良を試みた。まず、平行に並べた2本の光ファイバーの先端に形状を斜め切頭円錐型に加工した分布屈折率レンズ(DIL)を取り付けることによって、流れ中へのセンサーヘッド挿入によるその周りの流れの攪乱を減らすとともに、レンズ端面からの有害な強い反射光を減少させようと工夫した。その結果、直角切頭円錐型DILに比べてより高濁度の流体の測定が可能になった。 (2)次に、センサーヘッドをより小型化して血管への刺入という実用目的に近づけるため、DILの直径を2mmから1mmへと小さくして、同様の加工を施した。その結果、2mmのDILの場合よりもさらに高濁度での測定が可能になった。得られた結果を理論的に裏付けるため、幾何光学に基づく光路理論を用いてDIL中を伝播し、液体中へ出射され、散乱粒子によって反射され、DILに受光され、再びDILを逆方向に伝播する光の道筋を計算し、測定体積を同定することが出来た。 (3)測定体積がDIL先端から0.4mmと近接しているため、DILによる流れの攪乱領域に入っている。従って光ファイバーLDVが測っている速度と真の流速(センサーへの近寄り速度)との関係を知る必要がある。そのために、流れ中に斜めに挿入されたDIL周りの三次元流れ場の数値計算を行ったところ、光学理論で予測された結果とよく一致する結果を得ることが出来、測定体積の位置の制御についての情報を流れの数値計算から得ることが出来ることがわかった。
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