研究分担者 |
塩原 守人 富士通研究所, マルチメディアシステム研究所, 研究員
島田 伸敬 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10294034)
三浦 純 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90219585)
白井 良明 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50206273)
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研究概要 |
人間と機械のコミュニケーションの手段として,人間同士の場合と同様にジェスチャをはじめとする非言語的行動を利用することが注目されている.しかし,従来のジェスチャ認識を利用したヒューマンインタフェースの研究では,人間は少数の特定のジェスチャだけを行うと仮定していた.人間はそのジェスチャを覚えていつも同じ動作をしなければならないし,機械の方は,認識の誤りに加え,人間が手を動かすのはすべて機械への意思伝達と考えてしまうおそれもあった. そこで,今年度は,複数の非言語的行動の認識結果を利用して,人間が機械への意思伝達を意図した際の手の動きだけを選択的に認識する方法を検討した.具体的にはジェスチャによる仮想世界の物体操作システムにおいて,人間の顔の向きを認識し,顔が仮想世界の対象物を向いているときに手を動かした場合だけ,手の動きを対象物操作のためのジェスチャとして認識するようにした.この考えに基づく実験システムを試作し,良好なヒューマンインタフェースが実現できることを示した. また,人間と機械がジェスチャによるインタラクションを通じて,ジェスチャ認識の誤りや人間のジェスチャのバリエーションに対応する方法を検討した.機械は未知のジェスチャや認識結果に確信をもてない場合に,その状況で指示される可能性のある行動を一つ選択してそれを少し実行する.そして,それに対する人間のジェスチャを見てその行動が正しいか判断する.正しいと判断したときは,その行動を続け,人間の示したジェスチャをその行動指令のものだと学習する.この機能を電動車椅子に搭載し,車椅子から人が降りたとき,ジェスチャで車椅子を操作できるようにし,実験により有効性を確認した.
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