研究課題/領域番号 |
09555084
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
藤原 民也 岩手大学, 工学部, 教授 (70042207)
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研究分担者 |
菅野 淳 岩手県公害センター, 大気科, 上席専門研究員
鈴木 和夫 日立エンジニアリング, サービス・電力システム部, 主任技師
山田 弘 岩手大学, 工学部, 教授 (60125482)
高木 浩一 岩手大学, 工学部, 助手 (00216615)
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キーワード | 排ガス処理 / NOx処理 / バリア放電 / 無声放電 / 非熱平衡プラズマ / 低温プラズマ / 放電化学 / 大気環境浄化 |
研究概要 |
本研究の目的は、50kVA級のディーゼル発電機の排ガスを、高効率で処理するコンパクトなシステムを実現することである。研究目的を実現するため、(1)剣山型電極型バリア放電方式リアクターの基礎特性の把握、物理、化学反応の把握、(2)電源開発、(3)実用化のための検討、と大きく3つに分けて遂行してきた。(1)では、主に剣山型電極を用いたバリア放電の特性、およびそれがNOx処理に与える影響について、実験的に調べた。その結果、通常のオゾナイザー放電が正ストリーマのみ発生するのに対して、剣山電極を用いた場合印加電圧の極性で正負両極性のストリーマが発生することが明らかになった。放電の電子エネルギーは、正ストリーマの方が負ストリーマより高いことも、光学的計測より明らかになった。ストリーマの極性ではわずかに正ストリーマの方がNOx処理効率は、ほとんど変わらないがわずかに高くなる。また、印加電圧を周波数数十kHzの正弦波と、立ち上がり数十n秒のパルス電源を用いてNOx処理を行なった場合、パルス電圧の場合の方が処理効率は高くなる。(2)の電源開発では、主に昨年度に試作した電源とリアクター負荷との整合について調べた。1年目に明らかになったこととして、電源の効率がリアクター負荷の場合40%以下に落ちることが、システムとしてのNOx処理効率を下げる原因となることがあげられる。リアクターの設定と電源との整合について、数値解析と実験を通して検討した。(3)の実用化の検討では、1年目に問題となった、スス対策、熱対策、水対策、沿面対策について検討及び装置の改良を行なった。沿面対策では、絶縁設計を水分が付着することを想定して行なった。熱対策では、リアクターを金属、セラミックで構成した。水対策では、壁面で結露しないように、リアクターを二重構造として壁面温度が下がらないようにした。スス対策では、いろいろな方式について実験的に検討した結果、金属フィルタでススを付着させた後、フィルターを熱して焼く方法を採った。現在、20kVA定格のディーゼル発電機(排気量約2.5l)の排ガスを用いた実験で、NOx処理率10%、効率17g/kWhを得ている。
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