研究分担者 |
平井 敦之 安川電気, メカトロ事業部, 課長(研究職)
佐藤 兼一 住友電気工業, 大阪研究所, 超電導研究部長
雨宮 尚之 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (10222697)
河村 篤男 横浜国立大学, 工学部, 教授 (80186139)
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研究概要 |
本研究は一次巻線に高温超伝導線材を用い,二次導体にバルク高温超伝導体を用いた高推力・高制御性全超伝導電磁リニアアクチュエータ(以下超伝導アクチュエータという)の開発を目的としている.具体的にはモデル機を試作して,推力特性,駆動制御特性を調べ,さらに,アクチュエータ内での超伝導巻線の電磁気的振舞,駆動損失特性を調べる. よって,実用的超伝導アクチュエータ実現のための課題を抽出しその解決策を見いだし,基礎要素技術の確立と設計手法を明らかにすることを目指としている. 本年度の研究実績は以下の通りである. 1) ビスマス系銀シース線を用い一次巻線を作り,交流通電特性を調べた.50Hzの周波数でも損失の急上昇や,通電電流の劣化などの現象はなく巻線は安定に動作することが確かめられた. 2) 一次巻線1個,イットリウム系バルク導体1個でできた推力試験装置を作成し,推力特性を実測した.着磁したバルク導体の磁界分布を遮蔽電流でモデル化し,一次巻線線材に印加される磁界分布を有限要素法により計算し,推力特性を算出した.計算結果は実測した推力特性を良く説明し,有限要素法による計算が超伝導アクチュエータの推力特性の設計に有効であることが分かった. 3) 推力試験装置の製作経験を元に3個の巻線と,16個のバルク導体を持つモデルアクチュエータを設計した.特に,バルク導体の着磁方法に独特の工夫をすることによりアクチュエータの構成が可能となった.平成11年度に製作を行い特性の評価を行う予定である.
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