研究概要 |
電力用半導体素子を使用したパワーエレクトロニクス機器の増加に伴って,高調波障害の発生件数も年々増加し,現代社会の新たな“公害"として早期対応が迫られている。資源エネルギー庁は,平成6年9月30日付けで「高調波抑制ガイドライン」を電力・家電業界に通達し,高調波障害の解決に向けて大きく前進した。 交流モータの可変速ドライブシステムや無停電電源(UPS)には,交流電源(50/60Hz)と直流電源とのインターフェース回路としての電力変換器を必要とする。しかし,電源高調波規制に対応した従来の大容量電力変換システムでは,1)スイッチング損失が増加する,2)高調波対策機器の価格が高い,3)良好な高調波抑制効果が得られない,などの問題点がある。 本研究は,電源高調波規制に対応した大容量・高効率AC/DC電力変換システムの開発を目的としている。これは,三相ダイオード整流回路と直列形アクティブフィルタを一体化した主回路構成と制御法に特長がある。平成9年度の研究成果をまとめると,次のようになる。 1.直列形アクティブフィルタの主回路構成と制御回路を設計した。さらに,PWM整流器や並列形アクティブフィルタとの併用システムなどの従来の方式との比較・検討を行った。 2.ディジタルシミュレーションプログラムを開発し,直列形アクティブフィルタの電源高調波抑制効果を確認した。 3.直列形アクティブフィルタの整合変圧器を設計した。
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