研究概要 |
1.サーフェス誘導モータの電流供給法と推力,垂直力,トルク特性との関係について 直進駆動時の推力,垂直力の測定ができ,また二次側の導体板や裏張り鉄板の材質や厚みが変更できる構造のサーフェス誘導モータ試験装置を本年度設備備品費で製作した。これを用いて以下のことを実証した。 (1)直進用として2つの巻線群をつくるための各コイルへの電流供給法において,全コイルを使用する方式は推力変換率の面では不利であるものの,発生力の大きさの点では最適である。 (2)左右巻線群の電流供給法としては,電流の空間分布が進行方向軸に対して,点対称になる場合が最大の発生力が得られ,軸対称のとき発生力は最小になる。また,進行方向軸は歯またはスロット中心いずれにおいてもほとんど差異のない発生力を得ることができる。 (3)上記2種の電流供給法の差異は,トルク特性で比較的大きく見られるものの,推力および垂直力においてはそれぞれ6%,3%程度に留まる。 2.サーフェス誘導モータの特性算定式の精度について (1)直交座標に変換して補正係数で円形の効果を考慮する二次元の電磁界解析法を開発しており,実測値との比較によってその妥当性を確認した。 (2)内側オーバハング部の渦電流領域がトロイダルコアの内径に対して半分程度であれば,上記解析式の算定精度は保証され,その渦電流領域とポールピッチの関係を明らかにした。その結果,直径が小さい場合でもポールピッチが小さいと,円形である影響は軽微であることを明らかにした。
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