研究課題/領域番号 |
09555093
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
八百 隆文 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (60230182)
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研究分担者 |
花田 貴 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (80211481)
林 司 日新電機(株), 先端技術研究開発部, 主任研究員
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キーワード | 走査容量顕微鏡(SCaM) / 局所電気特性評価 / 原子間力顕微鏡(AFM) / 走査トンネル顕微鏡(STM) / MOS構造 / 電荷蓄積 / メモリー |
研究概要 |
昨年度までにWワイヤーカンチレバーを用いた原子間力顕微鏡フィードバックシステムを開発し、走査容量顕微鏡の高感度化ならびに高い空間分解能を得ることに成功した。容量の検出感度は1アトファラッド、面内分解能20nmを可能とした。本年度は、ナノスケール電気特性総合評価装置としての測定技術確立を目標として、(1)微分容量特性測定(dC/dV-V特性測定)と容量特性(C-V特性測定)との関係、(2)MOS実デバイスへの応用、(3)MOS容量特性のデバイスシミュレイションとの比較を行った。(1)に関しては、市販の走査容量顕微鏡はdC/dV特性の走査データを画像表示するが、この測定における致命的な問題点を明らかにし、本装置のような容量の直接測定が可能でない限り適切な半導体評価が可能でないことを明らかにした。逆に、容量の直接測定ならびにdC/dV測定がともに行える本装置の評価装置としての有用性が明らかになった。(2)に関しては、0.5ミクロンスケールMOSデバイスのゲート直下の容量測定を行い、ゲート直下での空乏層の拡がりに関する知見を得ることが可能であることを示した。また、ここでも、dC/dVによる高コントラスト画像と容量直接測定を併用することで、電界分布、空乏層拡がりに関するより詳細な知見が得られることを示した。(3)に関してはデバイスシミュレーションと比較することで、ナノスケールでの電気特性評価が的確に行えること、すなわち、探針直下の電界分布、空乏層の変化、ゲート、トレイン、ソースにおけるチャージの流れ等の知見を得ることが出来る。以上、本装置の開発によって、革新的なナノスケールの電気特性評価装置が実現したことを示した。
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