研究課題/領域番号 |
09555094
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
秋山 英文 東京大学, 物性研究所, 助教授 (40251491)
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研究分担者 |
榊 裕之 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (90013226)
馬場 基芳 東京大学, 物性研究所, 教務職員 (60159077)
吉田 正裕 東京大学, 物性研究所, 助手 (30292759)
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キーワード | 量子細線 / 励起子 / 温度依存性 / 顕微分光 / レーザー / 横方向閉じ込め / 束縛エネルギー / 発光デバイス |
研究概要 |
試料評価の中心手段となる温度可変顕微分光装置を開発・作製し、これまで低温において顕微分光評価を行ってきた一連の量子細線試料について、温度依存性を計測し、高温領域の発光過程における励起子効果の特徴を調べた。 一次元励起子効果を用いた室温発光デバイスの実用化を考える上で最も重要なポイントは、室温でも安定な励起子状態を量子細線構造を用いて実現することである。このため、5nmスケールのT型量子細線においてInGaAs系の材料を活性層に用いてAlGaAs障壁層とのエネルギー差を大きくし、波動関数の広がりが最小になるように構造パラメータを選択する等の方法を試みた。励起子束縛エネルギーや横方向閉じ込めエネルギーを見積もり、GaAs/AlGaAs系T型量子細線や、GaAs/AlAs系T型量子細線と比較した。 また、量子細線試料として、制御性が困難ではあるが強い閉じ込めを実現するには有利であるリッジ量子細線を対象とした研究も行った。とくに、室温デバイス応用を目的として、量子細線構造に光導波路構造を組み合わせて量子細線半導体レーザーを実現し物性計測を行った。量子細線の基底状態からのレーザー発振は実現できなかったものの、量子細線の励起状態からのレーザー発振が低温から室温にわたって観測された。スペクトル測定ばかりでなく、時間分解測定、顕微画像計測などからこの様子を確かめ、より強い一次元性を実現する指針を得つつある。
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