研究課題/領域番号 |
09555100
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
尾崎 雅則 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50204186)
|
研究分担者 |
藤井 彰彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80304020)
大森 裕 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50223970)
吉野 勝美 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70029205)
|
キーワード | 導電性高分子 / フォトニック結晶 / レーザー |
研究概要 |
種々の導電性高分子の蛍光スペクトルにおいて、強い励起を行った場合スペクトルのナローイングが観測されることを前年度に報告したが、引き続き種々の条件下においてその詳細を解明するとともに、それらの導電性高分子を波長程度の周期構造を有する人工オパール内に浸透させることにより、その周期構造がナローイング及びレーザー発振に及ぼす効果について検討した。人工オパールとしては、直径160〜260nmのSiO_2微小球から作製したものを用い、その中にポリパラフェニレンビニレン(PPV)誘導体を中心とした導電性高分子やローダミン6Gなどの蛍光色素を浸透させ、QスイッチNd-YAGレーザーの第二、第三高調波により励起した。その結果、溶液、フィルム状態でも観測された導電性高分子のスペクトルナローイングのしきい値励起光強度の低下が観測された。さらに、ナローイングの他に、スペクトルに微細な構造を有するレーザー発振が観測された。このレーザー発振波長はオパールを構成するSiO_2球の直径に依存し、また、溶媒の屈折率によっても変化することから、大工オパールの周期構造によるフィードバックに起因するものと考えられる。また、オパールに光重合性の高分子を導入し光り重合を行った後、SiO_2を除去して得られる高分子レプリカを用いた場合にも、SiO_2に浸透させた場合と同様のレーザー発振が観測された。さらに、厚さ数μmの薄膜人工オパールの作製にも成功し、その中に導電性高分子を浸透させた系においてもレーザー発振が確認された。
|