研究課題/領域番号 |
09555102
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
大泊 巌 早稲田大学, 理工学部, 教授 (30063720)
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研究分担者 |
原 謙一 早稲田大学, 理工学部, 助手 (40298162)
豊島 義明 (株)東芝, マイクロエレクトロニクス技術研究所, 開発主査(研究職)
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キーワード | 量子化イオン照射法 / 単一イオン抽出 / 2次電子検出 / 不純物揺らぎ / ドーパント個数制御 / SIMOX基板 / 表面改質 / 異方性エッチング |
研究概要 |
本年度は、量子化イオン照射法の要素技術がほぼ確立したことを受けて、半導体デバイスへの応用へ向けた実験を精力的に進めた。 量子化イオン照射法の実用化および単一イオン注入効果の検証 (1) 微小半導体中への量子化イオン注入 SIMOX基板の上部Si層をパターニングして作製されたSiテスト試料に、量子化イオン注入法によって、不純物原子を1個1個数えながら導入した。注入イオン数とコンダクタンスの関係を調査した結果、注入イオン数の増加共に、コンダクタンスが極めて線形に増加していることを確認し、100個オーダーでドーパント個数制御が可能となった。なお、本研究で使用されたテスト試料において、イオン1個当たり、コンダクタンス増加分を0.02nS/ionと評価した。また、テスト試料に基板バイアスを印加したとき、チャネルが導通する閾値が、注入イオン数の増加共に、線形に変化し、イオン1個当たりの閾値減少分は2mV/ionであることが判明した。イオン1個当たりの電気的特性への影響を極めて定量的に評価した。 また、本研究の最終目標である従来のイオン注入法によって生じるデバイスの電気的特性のゆらぎの抑制効果の検証するために、統計的なデータ処理を本格化させた。 (2) イオンによる表面改質を利用したナノ構造の形成 本研究で開発した集束イオンビーム照射による熱酸化膜の表面改質を利用した加工法の制御性を高めるために、イオン1個当たりの改質効果の実験的検証を試みた。しかし、熱酸化膜の改質には、比較的大量のイオン照射が必要であることが判明し、当初、予定していたイオン1個による表面改質効果を検証するまでに、至っていない。なお、表面改質後の異方性エッチングによって、半導体Si基板中に数100nmサイズの構造体を配列させることに成功している。
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