研究課題/領域番号 |
09555109
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
松村 正清 東京工業大学, 工学部, 教授 (30110729)
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研究分担者 |
葉山 浩 日本電気(株), 中央研究所, 部長
内田 恭敬 帝京科学大学, 理工学部, 助教授 (80134823)
菅原 聡 東京工業大学, 工学部, 助手 (40282842)
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キーワード | エキシマレーザ結晶化 / 薄膜トランジスタ / SOI / 多結晶シリコン / 横方向成長 / SiC / 位相シフト |
研究概要 |
現在、多方面で検討が進んでいる多結晶Siでは、結晶粒界からのキャリヤの発生・再結合のために、リーク電流が大きいという欠点がある。これを解消するために、Siよりもエネルギーギャップが大きい材料を用いた薄膜トランジスタの実現と、結晶粒界のない薄膜トランジスタ実現を目指して超巨大結晶粒の形成を試みた。前者については、Cの添加を試み、積層へテロ構造の薄膜トランジスタを提案・実現した。後者については、昨年度に発案したエキシマレーザ光強度の空間変調を精密かつ再現性良く実現するために、レーザ光源と資料との間に厚さが部分的に異なる透明石英板を挿入する方法を開発した。レーザ光の位相には、この位相シフトマスクを通過する際にマスク厚さに対応した遅れが生じる。そしてレーザ光がマスクと試料との空間を通過する間に、位相の差によって干渉現象が起こり、強度が変調される。マスク上の凸凹パターンを工夫すれば、ほぼ任意のレーザ光強度分布を実現できる。この方法によって長さが9ミクロンの結晶粒の形成、2次元アレイ状の大結晶粒の形成に成功した。また、レーザ光ビームの広がりが干渉現象に及ぼす影響をも明らかにした。この技術は、薄膜トランジスタの他に、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)や太陽電池への応用できると期待される。既に開発したダブルパルス・デュアルビーム法によって形成した大粒径内に薄膜トランジスタを作製して、そのトランジスタが極めて高性能を有することを明らかにした。
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