研究概要 |
本研究は平成9年度から平成11年度の3年間の継続研究である。初年度の研究は化合物半導体をガラス基板上に低温結晶成長させるためのプロセス装置を設計、製作をし研究用装置の開発を行った。低温成長用半導体結晶成膜装置の基本構成は、電子ビーム樹着装置を基本としてイオンプレーティングシステム、イオン銃、電子シャワーシステムが付属している。低温半導体結晶成膜は結晶成長の活性化エネルギー減少させる必要があり、特に水素イオンアシスト出来るイオン銃が装備してしていることが特徴である。本年度は開発した実験用低温半導体結晶成膜装置の基本特性測定と化合物半導体低温結晶成膜の適応性の検討の成膜実験を行った。成膜プロセスの条件に関わる装置特性実験はRFプラズマ特性、電子ビーム蒸着特性、イオン銃特性等の測定評価した。RF電力20Wで基板-蒸着母材間の電圧(V)-電流(A)特性からプラズマ中の電子温度が約20,000℃であることが推定できた。イオン銃の特性はイオンビーム電圧、アクセレータ電圧をパラメータとしたイオン電流の特性が得られた。成膜実験の母材はII-VI化合物半導体ZnS,ZnSe,III-VI化合物半導体GaS等を用いた。成膜した膜の結晶性はX線回折計により評価し次の知見が得られた。 (1) イオン銃のイオンエネルギーに関係するアクセレータ電圧250Vを印化し基板上に、入射角45度で照射したZnSeの成膜を行った。イオンエネルギーが高いため基板上でスパッタリング現象が生じ成膜は出来なかった。 (2) イオンエネルギーと量を下げるためにイオン入射角を3度位に小さくし基板温度は400℃で成膜するとイオン照射しないと非晶質であるが、照射すると結晶性膜が出来る事が分かった。
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