研究概要 |
多種のメディアを含む情報オブジェクトの集合として構成される多次元構造情報について,その情報オブジェクト間の結合構造を仮想空間内で可視化し,さらに,構造を編集できるシステムを開発した.ここでは情報オブジェクトの例としてテレビニュース番組を用いて,それに含まれる各ニュースのテロップ,音声,画像を構成要素とした.なお,ここではこれらの構成要素はすでに分離・抽出されていることを前提としている. 1 異なるニュースについて,そのテロップ間,或は,音声内容間の関連度を評価する手法を開発した.ここでは,テロップ文,および,音声内容をテキスト化したものから名詞を取り出し,異なるテロップ間,或は,音声間で一致する名詞の数に基づいて関連度を定義した. 2 各ニュース間の関連度を基にその日のニュース群,或は,その日のニュースに関連の深いニュース群を仮想3次元空間内に立体オブジェクトとして配置し,更に,それらの間の関連度に応じてリンクを張って表示する方式を開発した.本方式では3次元空間の各軸は時間(ニュース番号)を表しており,また,ニュース間の関連度の大小はリンクの太さで表現している. 3 空間内で立体オブジェクトを操作して所望の構造を持った多次元構造情報を作成するためのインタフェースおよびアルゴリズムを開発した. また,その仮想空間へのユーザインタフェースとして手振り入力システムの開発を行い,次のような成果を得た. 1 コマンドやジェスチャ等を表している空間内の手の動きを認識するためのアルゴリズムを検討した.空間内の手の動きはすべて連結しているため,一連の動きを有意な部分とその間をつなぐために移動するだけの無意味な部分とに分割し,予め定義したパターンとマッチングをとることによって動作を認識する手法を開発した. 2 実際の手の動きを3次元マウスを用いて入力し,簡単な手の運動をコマンドとして認識する実験をおこなったところ,高い認識率を得ることができた.
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