研究概要 |
本研究は,光接続ネットワークと並列光演算技術を融合させた並列演算アーキテクチャOAL-NC(Optical Array Logic Network Computing)における光情報ネットワークプロセッサの試作を目的とする.本年度の研究により得られた成果・知見は以下の通りである. 1.離散相関演算光学系の実現方式として,各種方式の比較を行った.既開発の電子処理系との接続性,利用可能な実装技術の点で,瞳分割型方式が最も適している. 2.瞳分割型離散相関演算光学系に対して,設計支援プログラムCode Vにより,強度分布の一様性,口径食,歪曲収差を規範とした最適化を行い,ダブルガウス型レンズ構成で良好な設計を得た. 3.簡便な光学系実装技術として,光硬化性樹脂を利用した光造形光学素子作成・実装技術の検討を行った. (1)素子の透明性を高めるため,単一セル露光方式を考案し,その硬化条件を明らかにした. (2)微小レンズ作製技術として,ガウス分布ビーム露光法,二段階硬化法を考案し,アレイレンズに適用した. (3)プリズムアレイ作製技術として,光硬化性樹脂を型によりキャストする手法を考案した.頂角作製精度約5分でプリスムアレイを作製できた. (4)素子位置合わせ技術として,ハンダバンプボンディングを導入した自導アライメント技術を考案し,予備実験により15μm程度のアライメント精度を確認した. 4.光硬化性樹脂により試作したプリズムアレイを用いて入力画素数6×6の離散相関光学系を構成し,光アレイロジックに基づく光論理演算の実行を確認した.
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