研究課題/領域番号 |
09555118
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
情報通信工学
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
菊地 義信 国際医療福祉大学, 保健学部, 助教授 (20091944)
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研究分担者 |
海老原 敏 国立がんセンター東病院, 頭頸部, 院長 (20109995)
粕谷 英樹 宇都宮大学, 工学部, 学部長 (20006240)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | シマー / ジッター / 喉頭雑音 / 電話音声 / 回線ひずみ |
研究概要 |
電話音声で喉頭癌のスクリーニングを行うためには、品質の良い音声データを収集する必要がある。電話音声の品質を左右する要素には、発声が小さすぎることによるS/Nの悪化や、大きすぎることによる信号のひずみ等がある。電話の着信に対しコンピュータで自動的に応答し音声を収集するようなシステムの場合、前者については信号レベルの絶対的な大きさで判断できるため、比較的簡単に適切なメッセージを返すことができる。しかし、後者については、音声波形がクリッピングされても、様々なフィルタを通過し、また、非線形性の影響を受けるため検出することは困難である。この検出を行うために、様々な音圧レベルで送信した音声を分析し、ひずみの有無に対する音声信号の特徴量の変化を調べ、また、聴覚的な印象の程度と比較した。このスクリーニングシステムでは持続して発声した母音/a/を使用する。 波形レベルで飽和やクリッピングの影響を受けた音声信号を周波数分析すると、そのスペクトル構造が変化している。一般に、持続母音のような周期的な信号はクリッピング等の非線形の影響を受けることで高調波成分が増加しスペクトルが平坦化してくる。この傾向は電話回線を通して得られる音声でもみられることが分かった。電話音声をLPC分析しホルマント周波数のバンド幅を求めることで、ひずみの有無が判断できることが分かった。このアルゴリズムを電話音声による喉頭癌スクリーニングシステムに組み込み、より適切な音声が収集できるようになった。
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