研究課題/領域番号 |
09555121
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
森泉 豊栄 東京工業大学, 工学部, 教授 (80016534)
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研究分担者 |
岩下 功 株式会社, リバーエレテック, 取締役
松浦 吉展 フィガロ技研株式会社, 開発部・開発1, グループリーダー(研究職)
中本 高道 東京工業大学, 工学部, 助教授 (20198261)
吉邑 昌義 東京工業大学, 工学部, 助手
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キーワード | 小型水晶振動子 / 2次元センサアレイ / ガス濃度分布可視化 / ガス流方向推定 / トレーサ / ロックイン計測 / 過渡応答モデル / オプテカルフローの拘束式 |
研究概要 |
昨年度は小型水晶振動子を用いたガスセンサの2次元アレイによりセンサの高速化を達成し、風洞内でガス流の方向をほぼ常時推定することができるようになった。本年度は一般的な環境に近いクリーンルーム内で、動的ガス濃度分布の可視化及び流れの方向推定実験を行った。クリーンルーム内で空調を停止し、ドラフトの排気により微風速環境を作った。風洞内の風速の変動係数は33.4%なのに対して、クリーンルーム内では、52.9%の変動係数となり、気流の変化が激しく風洞内と比較して難しい環境であると言える。その環境でトリエチルアミンガスをノズルより噴射して、ノズルより40cmから100cmまで離して可視化実験及びガス流の方向推定実験を行った。センサは25個のSMD型水晶振動子ガスセンサを用い、方向推定にはオプティカルフローの拘束式を用いた。その結果、室内のガス流方向を正しく推定できることがわかった。 さらにセンサアレイ設計、匂い源探知アルゴリズムの確立を行うためにはシミュレーションが有効であり、その手法の開発を行った。レーザ光源に変調をかけて可視化剤(トレーサ)からの散乱光をロックイン計測し、ガスセンサ応答と同時に測定を行い、ガスセンサの過渡応答モデルを求めた。そして、レーザビームを走査させて得たトレーサ画像に画像処理を施し、瞬間的なガス濃度分布を得、測定した。このデータを先の過渡応答モデルに作用させ、2次元空間内の任意点に仮想的においたセンサ応答を計算することに成功した。本手法は高度な乱流シミュレーションを使わずに、流れの中のセンサの挙動をシミュレーションすることが可能である。場所によるセンサの応答差や流れに伴う応答の遅れをコンピュータ上で再現することができるようになった。
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