研究課題/領域番号 |
09555128
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
円福 敬二 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 助教授 (20150493)
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研究分担者 |
茅根 一夫 セイコーインスツルメンツ, 技術総括部, 課長(研究員)
吉田 啓二 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 教授 (80108670)
木須 隆暢 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 助教授 (00221911)
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キーワード | 高温超伝導 / SQUID / 磁気センサ / 磁気顕微鏡 / ジョセフソン素子 / バイクリスタル基板 / ノイズ |
研究概要 |
本研究は液体量素温度(T=77K)で動作する高感度SQUID磁気センサを開発するとともに、これを用いた磁気顕微鏡システムを試作することを目的としている。本年度はシステム開発に必要な以下の課題を解決した。(1)まず、傾角30度のバイクリスタル形ジョセフソン接合の作製技術を確立するとともに、接合における電流輸送の機構を定量的に調べ、接合パラメータ(臨界電流と抵抗)の関係や接合の雑音特性を明らかにした。この結果を用いることにより高品質な接合を再現性良く作製することが可能となり、SQUIDの性能を大きく改善することが出来た。(2)また、作製したSQUIDセンサの基本性能(磁束-電圧変換効率と磁束ノイズ)の評価を行った。測定結果は設計値と定量的に一致しており、設計の妥当性及び作製プロセスの高さを実証した。ただし雑音特性については若干の相違が見られ改善の余地を残している。なお、磁界検出コイルが6mm角と小さい場合にもセンサの磁界分解能としてB_n<100fT/Hz^<2/1>が得られており、高感度磁気センサの開発が可能であることを示した。(3)次に、システム開発に必要なセンサ駆動用の低雑音電子回路を開発した。センサの低周波雑音を改善するためのいわゆるac-bias法の有効性を示すとともに、センサの耐環境雑音性を高めるための広帯域化を検討した。(4)さらに、顕微鏡システムでは試料とセンサの間隔を狭めることが必要になるため、センサ冷却用の容器(デュワ)を開発した。これまでに比べて間隔を1/5程度に狭めており、その結果測定感度を数10倍高めることが可能となった。今後はこれらの成果を発展させてシステム開発を進めていく予定である。
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