研究課題/領域番号 |
09555135
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
川村 満紀 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (20019730)
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研究分担者 |
川口 外秋 日本鋼管(株), 富山製造所, 室長
五十嵐 心一 金沢大学, 工学部, 助教授 (50168100)
鳥居 和之 金沢大学, 工学部, 教授 (50115250)
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キーワード | 高炭素フェロクロムスラグ / 超高強度コンクリート / シリカフューム / 微視的構造 / 自己収縮 |
研究概要 |
フェロクロムを製造するときに排出される高炭素フェロクロムスラグの基本的な物性を調べた。高炭素フェロクロムスラグの化学成分および鉱物組成を種々の方法で調べたところ、このスラグはMgO-Al_2O_3-SiO_2の3成分系の材料であり、主な構成相であるフォルステライトがコーディライト類似のガラス室マトリックスに分布した組織であることが判明した。このガラス質相はアルカリとの反応を持つことがASTM C 286により確認され、したがってコンクリート用骨材としての適用生を判断するために、これを骨材として用いたときのアルカリシリカ反応による膨張を生じないことが確認され、またスラグ自体の物理的性質からもコンクリート用骨材としての適用は十分に可能であると判断された。 続いて、このスラグを細骨材として使用した普通強度のモルタルの力学的特性を天然骨材を使用した普通モルタルと比較した。圧縮強度、曲げ強度および破壊靭性とも高炭素フェロクロムスラグモルタルは普通モルタルよりも大きな値を示し、特に、長期材齢における強度発現か期待できることが明らかになった。また、ひびわれ部分の蛍光顕微鏡観察および電子顕微鏡観察を行い微視的な破壊の特徴を調べたところ、ひびわれがスラグ粒子表面に到達せずにマトリックス中を迂回する状況が観察され、スラグ自体の反応による化学的な付着を生じていることが示唆された。また、スラグ面は粗い組織となっており、機械的な噛み合わせによる付着強度の増大も期待できるようであり、これらによって高炭素フェロクロムスラグモルタルはすぐれた性能を発揮すると考えられる。 さらに、このスラグを低水セメント比でシリカフュームを混入した高強度のマトリクスのモルタルに使用した。高炭素フェロクロムスラグを使用したモルタルの強度はやはり普通骨材を使用した場合よりも大きく、良好な付着特性とスラグ自体の硬質性が十分に発揮された高強度モルタルが得られることがわかった。
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